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以前読売新聞群馬版に連続して投稿していたものを掲載します。(2009/05)
『見えるものより見えないものを』

 新年に入りサッカー教室を開いた。
保育者のお父さんがサッカーの指導者で指導をしてくれるというのでありがたくお世話になることにした。 普段一斉的な指導は取り入れていないので子ども達の様子はどうだろうと心配していた。
その心配をよそに子ども達はサッカーに熱中し1時間30分の時間を集中してできたのである。

もちろん指導が良かったこともあると思うが、普段ボールを蹴った事のない女の子達まで集中して「たのしい、たのしい」とやっていて本当に驚いた。
幼稚園の普段の生活ではコーナー毎に遊びを設定し,自分で好きな遊びを選んで取り組むことを中心にしている。 自分の好きな事で十分に遊び込み充実した時間を持つことにより、「やってみたい」という意欲が心の中に湧き上がってくるようだ。
色々なことに興味を持ち色々なことに挑戦してみる。そんな心が段々と作られてきたのではないだろうか? その結果サッカーの指導に対しても長時間集中し心から楽しんで参加するという子ども達の姿が見られたと思っている。

子ども達にとって「遊びは学ぶ」ことである。 自分の好きな遊びを思いっきりすることにより、色々な知恵、興味関心、意欲、他への思いやりなどたくさんのことを学ぶことができる。
今の時期になると年長児は卒園へ向けての準備が始まる。保護者にとっては心配事の多い時期でもある。
小学校へ行くためにどんなことができなければならないのか?どんなことをしなければならないのか、気になるところである。
文字が書けない。数字が読めない。計算ができない。など学校へ行くために目に見える部分が気になってくる。 学校では目に見える評価というものが付きまとってくる。だからといって幼稚園のときから字を教えたり数字を計算させたりしなければならないということではない。
もっと大切なことは目に見えない部分、「たのしい」と思える心、「やってみたい」と思う心、「なんでだろう」と不思議に思う心、「ありがとう」と感謝できる心、 「だいすき」と信頼できる心などではないだろうか。これらは決して目に見えて評価できるものではない。
しかし、幼稚園ではこれら目に見えない心の部分を育てていかなければならないと信じている。

これらの目に見えない部分は家庭において親からの愛情を基盤として、思いっきり遊び込める環境の中で育つものだと考える。
だから保護者の人達には、「思いっきり遊ばせてください。文字や数字は子どもたちが興味を持つとあっという間に覚えますよ。 教えることではなくて興味が持てる環境を与えてやることが大切です。」と言う事にしている。(コンピューターゲームなどの遊びには決してメリットはない)
実際子ども達が興味を持つと、ものすごいパワーを発揮する。サッカーについてもそうだが最近はこんなことがある。

園庭のイチョウの木の上にあるツリーハウスに2階を造りたいと年長児の子ども達が盛んに言うので最初は生返事をしていたが、 毎日のように言われつづけたのでやっと重い腰をあげ、材料を用意して造り始める事にした。
基礎になる板を切ったりドリルで穴をあけたり、 ボルトにネジを締めたり積極的に手伝ってくれる。年長児のY男は朝登園してくると「えんちょう、ツリーハウスで待ってるよ」と必ず声をかけてから木に登っていく。
「えんちょう、はやくきて」「えんちょう、材料はどうする?」と子ども達の声に背中を押されながら毎日ツリーハウスの2階造りに励んでいるこの頃である。

幼児期の遊びほど大切なものはない。子ども達の心の中には目に見えない大切なものが確実に積み上げられている。 この目に見えないものを大切にすることにより、充実した学校生活を過ごす基礎ができるのではないだろうか。

園長  金子 仁

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